君だけのOne Perfect Shotを探せ!
世の中には色んな映画がある。
脚本が上手かったり、画が綺麗だったり、カッコいいセリフか聴けたりする良い映画もあれば、一方でどうしようもなくグダグダな映画もあったりする。
俺はなるべく目に見える地雷は回避するタイプだが、今まで観てきた中でそこまで酷くは無いけど何か期待外れだったり、うまくノれなかったものも多くあった。
そこで「いやーこの映画そこまで面白くなかったわー」と切捨ててしまえば終わりなんだが、それじゃあなんだか味気ないなと。よくよく観れば一瞬でも光る何かがあるんじゃないか?
という訳で、俺はどんな駄作にも、少なくとも1シーンはオォッ!となる瞬間があると思っていて、なるべくそれを見つけてあげたい。
だって、曲がりなりにも映画業界にいる人たちが作った作品なら、このシーンは本気で撮るぞ!!ってなる場面は1つくらいあるでしょう!
そして、この1シーンのインパクトがデカければデカいほど、他の人にとっては駄作かもしれないが、俺にとっては傑作になる。
例えば、世間からの評価がイマイチな「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」は、確かに途中までは俺も期待してた程じゃないと思っていたが、突如バットマンがアーカム・シリーズばりの高速戦闘を展開し始め、ダメ押しとばかりにチンピラの頭を床にめり込ませた瞬間に「こいつは傑作だ!!!!!」となってしまった(その後のワンダー・ウーマン登場シーンで更にやられた)。
ベンアフ版バットマンに惚れ込んだ瞬間
最近知ったのだが、どうやらこの素晴らしい1シーンのことをOne Perfect Shotと言うらしい。
SPIDER-MAN 2 (2004)
— One Perfect Shot (@OnePerfectShot) 2018年4月19日
Director of Photography: Bill Pope
Director: Sam Raimi
Buy or Rent via Amazon: https://t.co/V65itZSfOd pic.twitter.com/QgaTO5bVIO
果たしてこれがちゃんとした用語なのかどうかは知らんが、少なくともこのツイッターアカウントのコンセプトは俺がウダウダ書いたことと一致している。
ということで、君もOne Perfect Shot(以下OPS)を意識して映画を観てみよう!!という話。
OPSには止め画としての1シーンと、動画としての1シーンの2種類があるように思う。
前者は絵画的な美しさというか、その1枚だけで完成しているシーンのことだ。
まぁ、映像は言ってしまえば写真の集合体なので、構成とか色彩がとびきり綺麗なシーンがこれに当てはまる。
例えば、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」での惑星タトゥイーンから見た2つの太陽。
何かこのシーンだけでもめちゃくちゃワクワクするよな!
最近の作品だと「HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION」での達磨鬼邪高連合軍とか。
構図がガンギマリ!!!
後は、またスター・ウォーズになってしまうが、「エピソード8/最後のジェダイ」の惑星クレイトでカイロ・レンとルーク・スカイウォーカーが合い見える瞬間とか。
ションベンがちびりそうになったくらいブチ上がったシーン
紹介例がロング・サイズばかりになってしまうのは、やっぱり引いた方が全体を映せて、完結した画になりやすいからだろう。
作品によっては、ホントに一瞬しか映らなかったりすることもあるので、日頃から反射神経を鍛える意味でも少しは気にして観てみて欲しい。
後者は凄く分かり易くて、超人的なアクションシーンだったり、アメリカ大統領の演説シーンなんかはこれに当てはまる。
極端な例を出すと、ドニーさんの映画なんかは全てのアクションシーンがOPSなので、必然的に超傑作となる。
超高速ドニーパンチ!!
こちらは前者には無い、連続した動きという要素が加わってくるので、映画だからこそ表現できるショットってことだ。
まぁ、俺は別に映像を学問として扱っているわけではないので、実際詳しい事は全然分からないが、やっぱり映像の方が、画像よりも印象に残りやすかったりするのかな。
少し話は逸れるが、去年の10月に「孤高の遠吠え」や「全員死刑」の小林勇貴監督がツイッターで映画を製作するにあたって勉強になる本を色々紹介して下さっていて、その次の日にブックオフに行ったらたまたま紹介された内の1つである「映像の原則」という本があったので即買った。
俺はデザイン会社で働きながら映画を撮ってから商業デビューしたので、映画学校は通ってません。
— 『全員死刑』の小林勇貴 (@supertandem) 2017年10月6日
映画に関する本を読んで、気になったところをノートにメモして映画についてなんとなく覚えていきました。不良たちと撮るとき、それらは非常に役に立ちました。適当こいてまとまるわけねぇだろ。 pic.twitter.com/6eEmWfVDAu
んなことばっかやってると考えない癖が付くぞ!!!!とか、ちょうおもしろい。 pic.twitter.com/giqNRAVuWN
— 『全員死刑』の小林勇貴 (@supertandem) 2017年10月6日
なんとこの本はあのガンダムでお馴染の冨野由悠季監督が執筆しており、ド素人の俺でも少しは映像の事が分かるようになるくらい説明が分かり易い。
ちょっとは映画の事勉強してみっか~って、年に一度来るか来ないかの意識高い時期がもし到来してしまったなら、是非読んでみて下さい。
以上、ストーリーとかセリフだけじゃなくて、構図や連続した動きにも注目して観ると、もっと映画を楽しめるかもね!!という話でした。
最後に1つ注意しておきたいのは、あんまり映画の核心部分のシーンについて大っぴらに話すと、誰かのネタバレになってしまうこともあるので、ちょっとは気を付けましょう。
もし、この記事が「最後のジェダイ」のネタバレになってしまっていたら申し訳ない。
終わり!!!!!